lost-butterfly
TastyMoon 2002/06/01 19:37:10
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 月姫をやった人ならわかるでしょうが、あのエンディングはどうなんだろうと私なんかは思ったわけで。いや、黒字にスタッフロールってのはいいけどあまりに殺伐としすぎてるだろ。曲も途中からアレだし。
つー訳で、その捌け口は当然窓に向かったのであります。それまで、月姫の夢寐は持っていたけどゲームをやってなかったのであんまり見てなかったんです。で、改めて見直したんですがその中で一番いいなと感じたのがこの作品でした。
どの夢寐にも当てはまるんですが、古いの新しいのにかかわらずやたら文字入れますよね。絶対と言っていいほど必ずキャラクター名が入りますし、そのキャラのセリフが入る。まるで入れないといけないルールでもあるのかってくらい。デモじゃないんだし別にいいだろ、と。つーか、入れないと間が待たないのか、と。使い方がうまけりゃカッコよくも見えるでしょうが正直くどいのが多い。それがこの夢寐ではありません。厳密には最後に使われていますがそれは後に話すとして。文字を魅せる手段として使わないということは、構成が勝負になると思うんです。絵をどう見せるか。どう視聴する側に感じ取らせるか。まあ、一番簡単なのは話の順番どおりストーリ通りにすればいいんだろうけどそれじゃ只の動く紙芝居。そう感じさせないのがこの人の非凡なところだと思うんです。例えば、最初の場面でもアルクの笑顔から始まって各キャラの紹介を普通にするんではなくスクロールさせながらうまくフェイドアウトさせたり、蝶を飛ばしつつ歌詞と場面をうまくシンクロさせて志貴の心情あらわしたり、シーンの合間に微妙な表情をした琥珀を配したり、秋葉の赤にシエルをかぶらせたり。細かいところでくすぐられます。ぶっちゃけ、よほどひどい出来じゃないかぎり、視聴者は勝手に脳内補完出来る訳で。やたらと凝ったり、きっちりかっきり作る必要は実はなかったりして。確かに翡翠の後ろに笑い顔のアルクとか、ロアと四季がまぬけだとか、曲編集も兼ねたシーンの迫力のなさとか気になるところはあるんだけどその後のさっちんで引き締まったりしててそれほど違和感感じさせません。一応、ストーリ的にも大まかに形として成ってると思うし私はこれでよかったと思います。で、最後に「Blue・・・」のあと月姫ロゴでて終わり。余計なスタッフロールとかもなくて実にスマートにかっこよく終わってます。後味すっきり。素晴らしい。
なんていうか、製作者側から見ればきっと指摘するところは山ほどあるんでしょうけど、視聴者側としてはこれほど気持ちよくライトに見させてもらえる夢寐は稀かなと。まあ、私が思っただけなんで他の人は何だコリャかもしれませんが。
ところで、これの入手経路思い出してたんですが、記憶が確かならブックマーク整理で訪れたときに偶然公開してたんだよなあ。以前、もうやめますみたいなこと書いてあったから復活したのかよと驚いた記憶があります。で、日記見たら自分の夢寐良くないみたいなこと言ってるのね。いや、オレから見たら充分なんですがなにが不足なんですかね。自分で自分の価値を貶めるのは実は汚いやり方で単なる言い訳なんでなるべくならやって欲しくないなあ。気持ちはわかるけど。
という訳で、最後話がズレましたがこの夢寐はゲームクリア後のご褒美としてみたら結構ハマると思います。単純に見えながらもやることはやっているそんな作品かと。2003/1/20